抗酸化とは

抗酸化

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われわれヒトは当たり前のように酸素O2を呼吸します。

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ところが実は、ヒトのようにO2を呼吸する生物は、生命の歴史の中では新参者なのです。なぜなら、太古の地球にはO2がなく、植物が進化して光合成をおこなうようになって初めて空気中にO2が放出されたのです。今でもわれわれヒトが呼吸する酸素は植物が光合成によって維持しています。

ということは、もともと生命はO2なしで生きることができたことを意味します。実はわれわれの祖先にあたる生物にとって、O2は毒でした。強力な酸化力を持つからです。ヒトをはじめとした生命は、O2の酸化力を使って食べ物から効率よくエネルギーを取り出すことができるようになったのですが、同時にO2を解毒する能力を身につけてきたのです。

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ここまででお分かりのように、われわれが呼吸しなければならないO2自体に毒性があり、それは強い酸化力であって、身体にとっては自分を傷つける諸刃の剣ということになるのです。鉄などの金属は放っておくだけでボロボロに錆びます。これはO2による酸化力によって鉄が変性してしまったのです。食べ物を缶や瓶に詰めて密封するのは、もちろん細菌が増えて腐らないようにする意味がありますが、同時に空気中のO2によって食べ物が直接酸化される、つまり劣化するのを防ぐためなのです。われわれの身体の中でも同じようなことが起こっています。そう考えて深呼吸をすると、O2の美味しさと同時に、身体が持つ解毒力のありがたさがわかります。息ができないと苦しいのは言うまでもありませんね。

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このように、O2に対する解毒力と、O2の酸化力のバランスを取りながら、日々生きているのがわれわれヒトなのです。

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さて、O2を解毒する、とはどういうことでしょう。ヒトは化学工場であると言えるほど、細胞の中では、酵素と呼ばれるたんぱく質が大活躍して生命活動をしています。O2はそのためのエネルギーを供給しています。食べ物から取り出したエネルギーを使ってATPと呼ばれるお金に当たる物質を合成するのに使われているのです。60兆個にもおよぶヒトの細胞は、このATPというお金を使うことによって効率よく生命活動を営んでいるのです。

活性酸素のところで登場しますが、このお金を造る細胞の工場がミトコンドリアと呼ばれる命の源であり、老化の原動力である小さな部品なのです

さて、酸素は食べ物からエネルギーを取り出すために、酸化力を使って活躍します。これが高じて、身体の成分そのものを酸化すると大変です。皮膚のコラーゲンなど身体の表面を覆うたんぱく質の場合は、酸化されると即、劣化します。見た目の老化と言うことになるのです。

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われわれが必要としない酸化、望まない酸化、害になる酸化には対抗しなければなりません。そのことを、抗酸化と呼びます。

空気中のO2も強い酸化力を持ちますが、もっと凶悪な酸化力を持つO2の仲間があります。

それが活性酸素です。抗酸化で撃退しなければならない主な敵は活性酸素ということになります。次の項目で見てみましょう。